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アパレル業界の
SCM/EDI
#2-10
H15.10.29 (「繊維ニュース」 9月 に掲載)

中小アパレルの関心は、CAD、生産管理系システムに
アパレル・ソリューション・フェア 報告


大手アパレルと百貨店を結ぶ取引という視点では、既に EDI システムが確立され、さらに Web-EDI などにより、効率的な SCM を志向する動きが加速をみせているが、中小アパレルの多くは、こうした動きとは別の視点で IT 化を進めている。

大手アパレルの動きが、百貨店ビジネスを想定して、大規模な EDI の効率的処理と、納品代行をによる物流業務効率化を主要課題としているのに対し、中小アパレル分野では、企画・生産分野の草の根的効率化を志向した動きが目立つ。

大手アパレルと百貨店主導による教科書的 SCM 志向のニーズと、中小アパレルのニーズには明らかなギャップがあり、当分の間、それぞれのニーズを満たすシステムを求めて、別個の動きを推進することになるとみられる。

8月26、27日の両日、全日本婦人子供服工業組合連合会の主催によるアパレル・ソリューション・フェアが、東京品川区西五反田の TOC で開催され、昨年比約 10%増の 1700名の来場者を集めた。

このフェアは、アパレル業界向けに特化した IT システムを訴求するもので、とくに、中小企業を志向したシステム提案に特色がある。それだけに、大手アパレルと百貨店の来場者の目立つ繊維ファッションSCM推進協議会 (FISPA) 主催の繊維ファッション SCM 大会に比して、中小アパレルの来場者の比率が非常に高くなっている。

CAD、CG などの企画系のほか、MD、生産管理、Web-EDI、SCM 管理などの基幹業務系など、多様なシステムが訴求されたが、中小アパレルの注目は、第一に CAD システムに向けられ、次いで生産管理システムなどの基幹系システムが関心を集めた。

この2つはアパレル企業の中でも、担当部署がデザイン・パターン制作の企画部門と、生産管理部門とに分かれており、ビジネス・フロー的には隣り合う部門ではあるが、システム的な志向性はかなり異なる分野である。それだけに、関心を示す層もはっきりと二分された印象があった。

最も活気のあったのは、CAD 分野の訴求である。大手、中堅アパレルの CAD 需要は既に一巡した感があるものの、パターン制作に特化した企画会社や SOHO が増加していることのほか、中国向けの需要も活発化しているため、CAD ベンダーの提案は積極的なものとなっている。
2日間の会期中に開催された無料セミナーも、CAD 関連のプレゼンテーションが最も多くの受講者を集めた。

既に CAD システムの主流は、以前のオフコンを使用したワークステーションから、パソコン・ベースのものに移行しており、それだけに小規模オフィスの需要にも十分対応できるものになっている。

デザイン、パターンメーキングなどの業務は、アウトソーシング化が進み、SOHO や小規模オフィスの存在がますますクローズアップされる可能性がある。その背景には、CAD システムのパーソナル化の確立が大きな力として存在する。

パターンメーキングのアウトソーシングが進展すると、大きな問題となるのが CAD データ互換である。

現在、各種の CAD システムが展開されているが、そのデータベース形式は各社で異なるため、原則的には異機種間の CAD データ互換は不可能ということになっている。 しかしながら、平成 9年に全日本婦人子供服工業組合連合会が繊維産業構造改善事業協会の助成を受けて開発した TIIP 互換フォーマットという規約が存在するため、現在、これに沿った形での中間フォーマット (DXF形式) を介した互換が行なわれている。

アパレル・ソリューション・フェア 2日目の TIIP 互換規約に関するセミナーには、定員 200名の会場で立ち見が出るほどの関心が示された。

この互換フォーマットは、このほど発足した CAD データ互換システム研究会の手で改定が施され、より実際的なものとされる予定である。これにより、CAD 分野の IT 化は中小アパレル段階でも飛躍的に促進されるものと見られる。

一方、生産管理業務に使用されるソフトも、徐々に業界に浸透してきている。

アベイルの提案した生産管理システムは、現在中堅縫製工場などを中心に導入され、確実な効果を上げている。こうした導入が、アパレルメーカーとの連動に発展すれば、かなりの効果が上がるものと期待される。

中小企業向けに開発されたシステムは、かなり使い勝手のよいものが多いとの定評がある。同フェアに来場した大手アパレルの情報システム担当者の中には、「痒いところに手の届くシステムが多いと感じるが、大手としては、全体の基幹システムとの整合性を優先するため、単体としては導入しづらい点がある」との声があった。

中小アパレルの今後の IT化は、CAD、生産管理の視点から周辺に拡大する形で進むものと見られる。
そのためにも、CAD と生産管理のシームレスに直結させ、自然な形でマネジメントできるシステムの開発が期待されるところである。

実際に、CAD メーカーの次世代システム開発は、この分野に焦点を当てたものが多くなりそうだ。


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